「源氏物語」と大和魂

 「才を本としてこそ
  大和魂の世に用ひらるる方も侍らめ」と
 紫式部はその著
 『源氏物語』乙女の巻の中で
 <大和魂>という用語を用いている

 歴史学者の上田正昭さんは
 “日本の古典でもっとも早く大和魂について述べている”と
 指摘している

 ここで用いられる<大和魂>とは
 “日本人の教養や判断力を指しての大和魂”であると述べ
 “「才」とは「漢才」のことで
 文学者である紫式部は漢詩・漢文学を内容とする
 「漢才」を意味した
 私なりにいえば
 漢才すなわち海外からの渡来の文化をベースにしてこそ 
 大和魂がより強く世の中に作用してゆく”と解説している

 「日本人の教養や判断力」
 この“まことの「大和魂」をいまのわれわれは
 失念してしまったのではないか”と述べているのは興味深い

 「和魂漢才」
 その意味
 “権力者のみずからを守るための
 たわごとに惑わされてはならない”
 何度読み返しても
 尽きることはない

 上田正昭著
 『「大和魂」の再発見』(藤原書店)
 『歴史のなかの人権』(明石書店)より

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by hai-toku | 2017-10-14 11:06 | 読書 | Comments(0)