紫式部文学賞を受賞した多和田葉子さん

 明日
 紫式部文学賞の贈呈式が京都宇治市の文化センターで行われる
 多和田葉子さんは今年21回目となるこの賞の受賞者
 『尼僧とキューピッドの弓』が受賞作品である

 8月8日に選考委員会(梅原猛委員長)が受賞作品を記者発表したが
 その折に寄せられた多和田さんの受賞の<言葉>は流石だ
 ドイツのベルリンで生活されている多和田さん

 “「宇治十帖的に嬉しいです」
 ベルリンのの夏の夜は長い
 電話が鳴った時は
 まだ夢に浮く橋を渡っている最中だった
 紫式部の名を聞くだけでも嬉しいのに
 受賞と聞いて感謝あふれる
 どんな言語にも初心者の心で向かう手習いの文字
 早速辞書を引き
 宇治は「菟」の道と知る
 脳の土から陽炎のように
 蜻蛉のように立ち上がってくる文字群をどうにか捕えて
 これからも大洋に浮かべた小舟の上で筆を動かし続けたい
 日本は東の方向にある屋(いえ)
 ドイツというブナ科の木に宿を借り
 早朝から腰をかがめて
 芽をふいたばかりの蕨言葉を捜し
 垂れてくる髪を上げ
 巻き
 耳元で輪にしてイヤホン代わりに使うと不在者の声が聴こえる
 ドングリもクリだが
 恣意的などんぐりは
 栗のどん底
 どんじり
 どんづまり
 よく噛むこと
 受賞!
 栗齧りが「お姫様」と呼ばれたような受賞気分なので
 浮き足になって橋から落ちるかもしれない”と

 長々とした引用になったが
 <言葉>が連なっている

 多和田さんはこの7日に『雪の練習生』という作品で
 第64回野間文芸賞も受賞されたが
 紫式部文学賞もどうぞ大事にしてください

 これらの賞以前から
 多和田さんは
 群像新人賞や泉鏡花賞
 芥川賞(『犬婿入り』1993年)
 谷崎潤一郎賞と伊藤整文学賞(『容疑者の夜行列車』2002年)もダブル受賞と
 数々の文芸賞を受賞されている方
 いわば現在の紫式部

 そんな思いで
 『宇治十帖』の舞台となった宇治のまちを
 明日は十分堪能していただければありがたい
 宇治のまちとのご縁
 市民の一人として大変嬉しく思います038.gif
 
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by hai-toku | 2011-11-12 19:32 | 徒然 | Comments(0)