見田宗介と大澤真幸の対談を読む

 見田さんの「近代の矛盾の「解凍」」(『思想』)という論文を読んでの
 大澤さんの見解

 この論文で取り上げられていた<近代家父長的イデオロギー>について 
 近代の自由と平等という理念からすれば
 男女平等であるべきなのに
 長い間
 男性優位の家父長制家族のシステムが存続していた

 それは何故か
 それは
 性別役割分業をともなう核家族的ユニットが
 成長する社会にとっては機能的であり
 非常に有利であったからだ

 つまり
 男が外に出て働き
 女が家庭を支えるという家族の形態が
 経済成長が必要な社会における競争にとって
 たいへん機能的であったからだ

 ところが
 高度経済成長が終わりを告げると
 家父長制的な家族のシステムが崩壊し
 それを支えてきたイデオロギーも衰退してしまう

 成長の足かせから逃れると
 それぞれの個人が
 男性と女性が
 自由に平等に自己実現しながら家族の在り方を
 選択することが可能になってくる

 このとき初めて
 自由と平等という近代の理念が実現し得るものになった

 見田さんは言う
 高度経済成長を
 <闘う家族>
 理念を封印して一生懸命に働く
 働かなくてはいけなかった

 ・・・

 資本主義は
 経済成長を残す変化が絶えず生じていないと
 不安定になり
 破綻するシステムである

 資本主義は
 成長し続けない限り
 職を持たなかったり低賃金で搾取される
 貧困な層をたくさん出してしまう
 成長している限りでのみ安定するのが
 資本主義である

 それでは資本主義を超える社会システムとは何か
 未来の問題を現在の問題として深刻に受け止めるロジック(論理)
 それをどのように構築していくのかというのが
 大澤さんの問題意識

 「神の国は汝らの中(うち)にある」
  (イエス・キリスト(ルカによる福音書)」
 心のなかにあるというプラトニックな意味ではなく
 汝らの手の届く範囲にもう来ている
 つまり汝らは神の国の内側に入っている
 というメッセージ

 神の国にふさわしい社会に変えなければならない
 そういう義務が生じる
 それがある種の社会変革につながった

 小さな変革を重ねて
 気がついてみると社会全体が変わってしまった
 という<革命>
 
 未来の他者のことを
 現在の社会に生きる我々が生き生きと感じ取り
 社会の構築の論理を築いていく
 <未来の他者を現在に生かしていく革命>

 いちばん遠い問題を
 いちばん近くの問題として実感することが問われる 
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by hai-toku | 2011-11-17 16:57 | 徒然 | Comments(0)