木村敏「境界としての自己」

 今年の大学入試センター試験の「国語」の第1問
 出題されたのは木村敏さんの「境界としての自己」
 何とも難しそうな文章である

 そもそも木村敏さんとは何者なのか
 1931年生まれで京大医学部を卒業 医学博士
 専門は精神病理学で精神科医という
 学者でもある
 京都大学や龍谷大学それに立命館大学で教授として活躍され
 京都と縁の深い方でもあるようだ

 中公新書には『時間と自己』という著書もある

 センター試験に出ている文章
 生きものについてまず「環境との境界面」を論じ
 次に「自己意識がどのような経緯で人間に備わったものなのか」について
 論じている

 人間が他の生きものと異なる点
 “人間は自分自身をほかならぬ「私」として意識し
 この一人称代名詞で言表される存在に
 他のすべての個体とは絶対的に別次元の
 -他のもろもろの個体間の差異とは絶対的に異質の特異な差異でもって
 他者から区別されるー
 
 唯一無二の存在という特権的な意味を与えている”と

 この部分からは出題されていないが
 何とも難解な表現である
 <言表される存在><絶対的に別次元>という表現もそうではあるが
 特に下線部分の回りくどい表現には辟易してしまう

 そして流石に専門家
 精神分析の「自我境界」を説明するが
 「私」と他者との関係について
 “「私」は「内」でありながら「内」と「外」の境界それ自身でもあるという
 非合理な位置を占めている
 「私」とは
 実は「自我境界」そのもののことだといっていい”と
 こう説明されても何が何やら訳が分からなくなってしまう

 “境界とはまだ形をとらない生命のーニーチェの言葉を借りれば
 「力への意志」のー住みかなのではないか”とは・・
 精神病理学 哲学それに・・
 「ニーチェ」か
 この<言葉>を引用されてもすぐに分かりはしない
 むしろ<「力への意志」とは何か>と
 また宿題を課せられたようで頭を悩ますことになる

 「国語」の第1問からこの難解な文章とは・・
 受験生の皆様お疲れ様
 二日間大変でしたね042.gif 
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by hai-toku | 2012-01-15 17:53 | 注目 | Comments(0)