石牟礼道子 ー魂の行き来ー

 「喜んでお受けします」
 宇治市の主催する紫式部文学賞の受賞の連絡を受けて
 石牟礼さんはそう答えたようだ

 『十六夜橋』での受賞
 1993年の話だ
 選考委員長は梅原猛さん
 瀬戸内寂聴さんも選考委員の一人だ

 宇治市の文化センターで開催された
 受賞式で石牟礼さんの姿を見た

 『「在日」を生きる』という本の中で
 金時鐘さんは
 “どこか霊的でシャーマン的な気質を持っている”と
 石牟礼さんを語る

 “『苦海浄土』というのは
 100年たってもこんな本が現れるとは
 思えないようなすごい本ですけどね
 
 地域の人が「悶えてなりと加勢せねば」と
 持ち寄るものは何もないけれど
 一緒に悶えるんだという
 あのくだりは特に印象深くて・・

 ・・やはり日本的情緒から離れられない”と言う

 石牟礼さん自身
 『魂の秘境から』(朝日新聞で連載)で
 “海が汚染されるということは
 環境問題にとどまるものではない
 それは太古からの命が連なるところ

 数限りない生類と同化したご先祖さまの
 魂のよりどころが破壊されるということであり
 わたしたちの魂が還りゆくところを
 失うということである”と書いている

 石牟礼さんの魂の行き来
 『春の城』では天草・島原の乱を描く
 
 「乱を起こした人たち」への思い
 水俣と天草
 天草生まれの石牟礼さんの魂
 それは民衆の魂に繋がる

 民衆の魂の中に在る力
 「乱を起こした人たちと私はつながっている」
 チッソ本社に座り込んだときに
 天草生まれの石牟礼さんは
 その<力>を感じたのだろう

 今
 『春の城』(藤原書店)を読んでいるところだった

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by hai-toku | 2018-02-12 16:54 | 心に残る人々 | Comments(0)