僧列

  黄檗山一山の僧列なして暗き堂よりかがやき出づる
                     窪田空穂
 昭和15年というから1940年という
 まだ生まれてもいない戦前の年に
 窪田空穂が宇治の黄檗山に旅して
 立ち寄った際に詠んだ歌である

 開祖隠元禅師の忌日にあたる4月3日
 その日に目にした僧の姿を見て詠んだ

 「暗き堂よりかがやき出づる」である
 じっと目を閉じ想像する

 腹の底からの響くような声
 質素な僧衣を纏った僧たちが
 暗き堂より列をなし
 続いて出てくる

 現在も同じような風景が見られるのだろうか

 「山門を出れば日本ぞ茶摘み唄」
 黄檗山の山門の前には
 そう記された句碑が立つ

 宇治は「茶のまち」である
 もうそろそろ茶摘みが始まる
 「茶のまち」に現在も
 列をなして歩く僧たちの声が聞こえる

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by hai-toku | 2018-05-19 11:19 | 徒然 | Comments(0)